給与以外にも収入の柱を持てたら。そう思って不動産投資を調べ、まずは本を探したのに、「おすすめ20冊」を前に最初の1冊が決まらない。
まだ学ぶテーマも決まっていないなら、『最新版 ビジネス図解 不動産投資のしくみがわかる本』を最初の候補にします。取引・融資・運営・費用を分けた目次から、何を知っていて何が分からないかを整理できる構成だからです。
購入までの流れを追いたい人には別の候補があり、収益計算を掘り下げたい人には次の段階の本があります。この記事では、出版社が公開する目次・書誌情報をもとに3冊を用途で比較します。
不動産投資の本は「知りたいこと」で1冊を選ぶ
最初に決めるのは、読み終えたときに答えたい問いです。「不動産投資を勉強する」だけでは、本を選ぶ基準が広すぎます。
| 今の疑問 | 本の候補 | 読む位置づけ |
|---|---|---|
| 取引・融資・管理など、何を学ぶ必要がある? | 最新版 ビジネス図解 不動産投資のしくみがわかる本 | 全体像をつかむ最初の候補 |
| 物件を探してから契約・運営まで、何をする? | 世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生 | 1Kの現金購入を中心とする進め方を学ぶ候補 |
| 借入や売却まで含めて数字を比べたい | Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて | 基礎を学んだ後、計算へ進む候補 |
表の順は品質の順位ではありません。全体像がまだ曖昧なら1冊目、関心が1Kの購入手順に絞れていれば2冊目、数字を自分で組み立てる段階なら3冊目を選びます。3冊まとめて買う必要はありません。
全体像から学ぶ:不動産投資のしくみがわかる本
『最新版 ビジネス図解 不動産投資のしくみがわかる本』は松村保誠さんの著書。同文舘出版、2025年7月25日刊、212ページ、税込定価1,980円です。
目次は、投資の基礎から物件の取引・選択へ進み、融資、家主としての運営、費用、保有・売却に関わる税までを章ごとに分けています。「買って家賃を受け取る」というイメージを、購入前から所有後までの仕事に分けて考えたい人の候補です。出版社で目次を確認する
この本を選ぶなら、読む前に紙へ「買うとき」「持っている間」「売るとき」と3行だけ書いておきます。それぞれに何のお金が出ていくかを書き足す。用語を覚えるだけで終わらせず、持ち続ける間の負担まで説明できるかを読む目的にします。
具体的な物件の損益計算をすぐ作りたいなら、次に紹介する計算の本と目的を分けてください。最初の1冊に求める役割は、自分の知らない分野を見つけることです。
物件選びから契約へ:不動産投資の教科書1年生
『世界一やさしい 不動産投資の教科書 1年生』は浅井佐知子さんの著書。ソーテック社、2015年11月21日刊、272ページ、出版社の現在の税込定価表示は1,980円です。
公開目次は、収益と費用を学んだ後に、進め方、物件選び、契約、運用へ進む授業形式。出版社の紹介では、1Kマンションを現金で購入する方法を中心に据えています。出版社で目次と紹介を確認する
そのため、1Kの購入から運営への流れに関心がある人の候補にします。一棟物件や大きな借入を前提に調べている人は、自分の想定と本の中心テーマが合うか、購入前に目次を見て判断してください。
読むときの問いは「物件が気に入ったあと、契約までに何を確かめるのか」。価格だけで決めずに確認する項目を、本から自分のメモへ移せるかを意識します。書名の「やさしい」や紹介文の成功表現だけで、どの物件にも同じ買い方が通用すると考えないことです。
数字を掘り下げる:Excelでできる収益計算の本
『Excelでできる 不動産投資「収益計算」のすべて』は玉川陽介さんの著書。技術評論社、2017年3月16日刊、240ページ、税込定価2,068円です。
公開目次には、収益の構造、銀行融資、税、IRR、Excelによる試算があり、条件の違いを比べる章もあります。出版社も、初心者向けの本を読み終えた人を対象例に挙げています。出版社で対象者と目次を確認する
「家賃から何を引くか」は分かった。その先の、借入条件や売却まで含めて数字を組み立てたい人の候補です。家賃と毎月使えるお金の違いから知りたい段階なら、先に利回り・費用・返済の関係を整理してから選ぶと、読む目的が絞れます。
この本には、見落としたくない訂正があります。出版社の正誤表では第1〜4刷の218ページにある式が修正されています。中古本を選ぶ場合も手元の刷を確かめ、該当箇所は公式の正誤表と照合してください。
購入の目的がExcel特典なら、入手手順と利用条件も先に確かめます。本の計算例を自分の物件に当てはめるときは、家賃・支出・借入条件の入力根拠を一つずつ書き出すところから始めてください。
古い本を買う前に、刊行年・刷・扱う条件を見る
今回の3冊は刊行年が異なります。新しい本だから自分に合うとも、古い本だから役立たないとも限りません。ただし、計算の考え方と、当時の金利・税制・価格の例は分けて読みます。
| 買う前に見る箇所 | その場で決めること |
|---|---|
| 目次 | 自分の疑問を扱う章があるか |
| 刊行年・改訂版の有無 | 現在の制度や条件を別に調べる箇所がどこか |
| 刷と出版社の正誤表 | 訂正を反映して読めるか |
| 著者が想定する物件・借入 | 自分の検討条件と同じか、比較例として読むか |
とくに2015年・2017年刊の例を、そのまま現在の借入や税額の前提にしないでください。融資条件は利用を検討する金融機関の現行案内、税制は適用する年の国税庁資料で確かめます。本に載っている数字と、今の自分に適用される数字が同じとは限りません。
書誌・定価は2026年9月15日に出版社ページで確認した紙書籍の情報です。購入時は同じ書名の旧版や電子版と混同しないよう、版と販売価格も確認してください。
読み終えたら「次の1冊」より、答えられる問いを増やす
1冊読み終わると、また別のおすすめ本が気になるかもしれません。買い足す前に、最初の疑問を自分の言葉で説明してみてください。
- 全体像を知りたかった人:購入時・保有中・売却時に、どんな支出があるか。
- 購入の流れを知りたかった人:気になる物件を見つけたあと、契約までに何を確認するか。
- 計算を知りたかった人:家賃・支出・借入条件を変えると、どの結果が変わるか。
説明できれば、その問いのために本を増やす必要はありません。説明できなければ、「全部まだ分からない」で終わらせず、該当する章と分からなかった箇所を1つ残します。数字の確認項目が欲しい場合は、初心者が先に押さえる7つの数字と照らし合わせてください。
同じ箇所を読み返しても疑問が残り、人に質問しながら学びたいなら、そこで講義という選択肢が出てきます。先に決めるのは申込先より聞きたいことです。「この数字をどう置くのか」「この説明の違いは何か」と1問にしてから、不動産投資セミナーの内容・質問可否・参加形式を比較するへ進んでください。
よくある質問
初心者が1冊だけ選ぶならどれですか?
まだ知りたい分野が絞れていないなら、『最新版 ビジネス図解 不動産投資のしくみがわかる本』を候補にします。公開目次で購入前から保有・売却までの分野を確認できるためです。すでに計算だけを学びたいなら、目的に合う本を選び直してください。
本だけで勉強してもよいですか?
疑問が解ける間は本で学び続けて構いません。講義への参加を読書の必須コースにはしません。ただし、本を読んだことと、特定の物件を買う判断ができることは別です。購入の段階では、その物件の資料と自分の資金条件を使って検討します。
中古の本でもよいですか?
刊行年、版・刷、書き込みや欠落、特典の利用条件を確認して選んでください。今回のExcel本は一部の刷に公式の訂正があるため、手元の本が対象かを確かめてから式を使います。
本を何冊読めば、不動産投資を始められますか?
冊数を開始の条件にはしません。まずは1冊で答えたい問いを決め、読み終えたら説明できるか試す。次に学ぶ内容は、そこで残った疑問から選んでください。
